目眩がするのこんなに目が疲れる夜は何故か体を捨てたくなる重たい肉の鎧を脱ぎ捨てて舞い上がるの鼓膜が痛む頭の芯が潰れそうでずっと耳鳴りが響いてる止まない地面を削る音が脳内に焼き付いて百年前、この京都は地味な景色で月面まで届くビルなんて建ってなかってはずなのに僕らはもう夜空の色さえ思い出せない明るすぎるこんな街ではどこに行っても眠れないの寒気がするわ見えない網目の中でしか自己を肯定できないくせに他人の自己を否定することには迷わないの荒んでいくわ遠くで赤子が泣いている側の会社員が睨んでいるこれじゃあいくらあやされたって笑えるわけないじゃない千年前の東京は月が綺麗で星の数だって数えられたと教科書には載ってたのに私達はもう流れ星が通り過ぎても気付くことも出来ないくらいに光に慣れすぎたんだ一万年前に僕が生まれていたらこんなに快適なヘッドで眠れはしなかっただろうでも僕らが不要なものだと捨ててきたのはほんとにもう僕らにとっていらないものだったのかな百年前、この京都は地味な景色で月面まで届くビルなんて建ってなかってはずなのに僕らはもう夜空の色さえ思い出せない明るすぎるこんな街ではどこに行っても眠れないの