始めよう、ここから真紅の歴史を驕りでもなく無謀でもない私たちの定めの為に宵闇に浮かぶ蒼白の瞳細められて鈍く光る笑みを無理やり跳ね除けた正義なんて野暮な名詞掲げる心算はないわ全ては我が名の下で紡いだ思い出ごと塗りつぶされてしまいそうな擦り切れたページを一つひとつ掻き集めて悠久の軌跡が残した無数の可能性を身勝手な理想で消し飛ばさせたりはしない運命は必ず紅の手に選んだ孤独がこの身を裂いても確かにあったあの絆は必要だったんだと認めよう朝焼けに沈む繁栄の印灰になって風に消える束の間の静寂みたいに目覚めましょう この瞬間、永い眠りと別れて後悔する間もなく痛みさえ感じないくらいの刹那に終わらせよう激情で貫いた奥深くの熱を奪い零れたはずの時計の砂の粒を戻す歪んだ理想論を高らかに謳うのならば血塗られた命運を貴女にあげる月が赤く染まる夜は最高のショーを贈ろう究極の絶望を殺められた理性と引き換えの強さ振りかざす自分さえ抗えぬ衝動に飲み込まれても選んだ孤独がずっとこの先追いかけてくるからそのままの私を見失わずに進めるんだ真実はいつでも我らと共に